「ハァ……ハァ……くそっ!何なんだよこいつは!」
道の真ん中に立つ神谷。
そしてその奥には一人の女性。
女性の背後には、北軍の人間が進路を塞ぐように人の壁を作っていた。
遠方でルークが動いているのが見えるけど、こちらを見てはいないようだ。
そして何がとんでもないかというと……。
「か、神谷さんが、血塗れ?あの防御力を上回る攻撃を食らったんでしょうか!?」
ウォーハンマーの特性、肉体硬化。
俺の攻撃すら弾いた肉体が、何かで斬られて傷だらけになっていたのだ。
それを、あの女性がやったと言うのか。
「お前ら、来たか。気を付けろ、こいつ……妙な攻撃を仕掛けて来やがる!」
俺の声で気付いたのだろう。
神谷がチラリと振り返り、俺達にそう言ったのだ。
「神谷がそこまでダメージを負う相手だ。油断出来るはずがない!」
恵梨香さんのその言葉で、俺達は一斉に武器を構えて神谷の隣に駆け寄った。
「わわっ!いっぱい来た!えっと、『死神』に、『呑んだくれ』に『ハラキリ』。間違いないですよね?」
俺達を指差して、楽しそうに話す女性。
ハラキリって……なんか俺、妙なあだ名を付けられてるな。



