殺戮都市~バベル~

名鳥が声を上げた直後、恵梨香さんは慌てて俺から離れて、名鳥を床に正座させて説教が始まった。


「ほう、つまり貴様は、私と少年が良い雰囲気になって、性行為に及ぶのをドアの隙間から観察しようとしていたわけだな?」


「い、いや……そこまで言ってないんだけど。俺はただ、お互いにもうちょっと素直になっても良いんじゃないかなーって思って」


……コンビニがすぐ近くにあるって言ってたのに、帰って来るのが遅いなと思っていたら、まさか覗かれていたとは。


変な事にならなくて本当に良かったよ。


「余計なお世話だ。私と少年は友達だからな。お前に心配してもらわなくても、言いたい事は言っている。な、少年!」


「え!?は、はい」


いきなり俺に話を振らないでくれよ。


でも、俺が友達だって言ったのがよほど嬉しかったのか、何度も友達という言葉を出している。


こころなしか、説教している顔も嬉しそうだ。


「わかった、わーかったよ!俺が悪かった!次からは覗きやしねえよ。それで良いだろ?」


「当たり前だ!」


何とか話が収まったと、一安心したその直後。







ドォォォォォォン!








という、地鳴りのような音と共に、部屋が揺れたのを感じた。