殺戮都市~バベル~

「だから、少年には申し訳なく思っている。私よりも弱くて、後を付いて来るだけだった少年が、いつの間にか私よりも強くなって、あの黒井をも倒してしまったと知って……どう接して良いかわからなくなったんだ」


人付き合いが下手だという事を、今の恵梨香さんの言葉を聞いて、やっとわかった気がする。


あれは、俺に対してもそうだけど、きっと自分に対する苛立ちでもあったんだと。


「気にしてませんから、深く考えないでください。ほら、恵梨香さんだって武器進化をさせて、また強くなったんですから。今だと、また俺よりも強くなってるんじゃないですか?」


これはお世辞でも何でもない。


ナイトと戦った時、俺と恵梨香さんは同じ速度で、同じタイミングで兜を破壊した。


それだけでははっきりとはわからないけど、少なくともナイトを倒せる力は手にしたと言う事だ。


「少年……どうして少年はそんなに優しいんだ?」


「え、ど、どうしてって言われても……」


俺は本当の事を言っただけだし、優しい言葉を掛けたつもりはないのに……なんだこの雰囲気は。


床に手を付き、四つん這いになって、ゆっくりと俺に近付く恵梨香さんに、俺はそれ以上何も言えなかった。