殺戮都市~バベル~

小さな部屋の壁にもたれて、床に腰を下ろした名鳥は、フウッと煙を吐いて横目に俺を見た。


「あの子達を預かって一日だけど、まあ、父親ってのはこんなに大変かって思い知らされたね。でも……悪くない。明ちゃんとも合うようだし、良かったと思ってるよ」


名鳥のその言葉に、俺はホッと安堵の吐息を漏らした。


東軍の四強の二人が守ってくれているなら、俺が心配する事はないな。


こんな街だけど、なんとか元気に生きて行けるんだと思うと、少し気が楽になった。


「良かった……亜美は小さいからわがままなところもあって、優なんて俺と同じくらいなのにもっとわがままで、名鳥さんに追い出されないか心配してたんですよ。本当に良かった」


「……坊主さ、優ちゃんの事、どう思ってんの?あ、彼女が死んじゃって、まだ一日しか経ってないのはわかるよ?でも、あの子は坊主の事が間違いなく好きなはずだよ。気付いてた?」


安心したと思ったら、名鳥からの突然の質問。


理沙が死んで、心にポッカリと大きな穴が空いた……はずなのに。


この街では、誰もが皆そうなのか、それとも俺だけなのか、戦えば戦うほど、その穴が埋められて行くような気がする。