殺戮都市~バベル~

そして、俺達を悩ませるのは北軍の攻撃だけではなかった。


ドシンドシンと地面を揺るがすルークが、方向を変えて俺達の進行方向に歩いていたのだ。


「やれやれ。戦っている最中にあいつが来なくて良かったよね。どうやら、建物を壊すとかいうつもりもないようだし……基本的には他の化け物と同じと考えて良いのかな」


「中央部ではなく、人間がいる所を闊歩している時点で同じとは言い難いがな」


忘れていたわけじゃないけど、戦っている時にルークが来なくて本当に良かった。


ナイトでさえ、出て来た当初は手も足も出なかったのに、あの巨体とどう戦えば良いって言うんだ。


「とりあえずよ、真治をどこかで休ませるべきだろ。見ろよ、へろっへろで、つついただけで倒れそうだぞ?」


本当に俺の額を指でつつきながら、神谷が恵梨香さんと名鳥に提案した。


つつかれるたび、膝がカクンと曲がって倒れそうになる。


「そうだな……私と神谷がいたら、ゆっくりも休めまい。名鳥と少年をどこかで休ませて、私はコンビニで何か食べ物を買ってくる。神谷は追っ手が来るようなら引き付けておいてくれ」


「マジかよ。それ、俺に負担かかりすぎじゃね?」


自らの提案に、しまったというような表情を浮かべて、神谷はポリポリと頭を掻いていた。