殺戮都市~バベル~

「ぐふうっっ!な、何が……」


圧倒的優位に立ちながら、俺を殺すよりも先に攻撃を受けた事が信じられない様子で、俺の肩に血を吐きながら緑川が呟いた。


右手の脇差が、俺の心臓の直上で動きを止めて、小さく震えている。


俺が見た恵梨香さん……それは、黒井と戦っていた時に、ランスに貫かれながらも一撃を入れた姿だった。


あの時とは状況が違うけど……命を賭すとはこういう事だと、今更ながらにわかった気がする。


でも、死ぬ気なんてない!


「ぐううぅっ!」


俺と緑川を貫く、日本刀の刃の向きを強引に変え、左手でしっかりと柄を握り締めて……俺は、身体を回転させた。


背中から突き出した刃が、緑川の脇腹を内側から切り裂く。


そして、俺が180度回転して、緑川と向かい合った時……全身を震わせて、ドサリと地面に崩れ落ちたのだ。


「ジ、ジーザス!なんて戦い方なのボクちゃん!」


腹に日本刀を突き刺して、満身創痍で立っている俺に驚きの眼差しを向ける大山田。


「う、嘘でしょ!?そんな勝ち方あり!?」


「緑川さんが……負けた!?」


驚いたのは大山田だけではないようで、永田も平山も声を上げた。