殺戮都市~バベル~

それでもなんとかバランスを崩して倒れるのだけは防ぐ。


そうなれば、間違いなく緑川はとどめを刺しに来るから。


距離を取ろうと、左手の鞘を振り、緑川を牽制する。


「悪あがきですねぇ。どうして私が脇差で、キミのような弱い人間に打刀が手にしたのか、理解出来ませんよ」


同じ刀だけど、こいつは脇差で不満だってのか。


……子供じゃないんだからさ。


緑川から距離を取って、鞘を放してすぐさま日本刀を引き抜く。


左手だけの戦いは、これが初めてじゃない。


だからって、慣れてるわけでもないんだけど。


「ハァ……ハァ……緑川秋太。あんたは強いよ。でも……まだ怖くない!」


痛みに耐えながら、ニッと笑って見せると、その言動に、緑川の眉間にシワが寄る。


「なるほど、それはつまり……俺をバカにしてると取っていいんだな!?半分死んでる貴様なんぞに、そんな事を言われるのは屈辱だ!」


本当の事を口にしただけで、怒らせるつもりは全くなかったけど、今となってはそんな事はどうでも良い。


考えろ、緑川の隙を突いて、やつが警戒していない「一撃」を叩き込むにはどうすれば良いかを。


グルグルと頭の中を駆け巡る過去の戦いの中に、何かヒントになるような物は。