殺戮都市~バベル~

この声には聞き覚えがある。


いや、忘れられるはずがない。


慌てて振り返った俺達の視線の先にいたのは……。








「よっ。一日ぶりくらいか?この街は太陽が昇らねえから、時間がわかりにくくて困るよな」








タバコの煙を吐きながら、気だるそうな笑顔を向けている名鳥順一だった。


「名鳥……なぜここにいる!それも私達が北軍に入ったタイミングで!まさかお前……ストーカーか?」


「バカ言っちゃいけねぇよ。おたくらが中央部を横切って北軍に入ったって、塔を見張っていた美優ちゃんから連絡をもらってね。まぁた面白い事をしようとしてんなーって思ったら……あのデカブツだろ?」


恵梨香さんの言葉を適当に受け流しながら、自分の話を進める名鳥。


まあ、確かにあのルークのでかさは普通驚くよな。


こうして軍のトップが自ら出向くってのもわかる。


トップどころか、下っ端でさえ騒がず静観しているこの北軍が異常なんだろう。


「あ、どこかで見た事があると思ったら、東軍の名鳥順一じゃねぇか。何、お前ら知り合いなわけ?」


俺達と名鳥の関係を知らない神谷が、不思議そうに首を傾げた。