殺戮都市~バベル~

それから、神谷は北軍の事を細かく教えてくれた。


恵梨香さんと吹雪さんが北軍を去った後、何があったのかを。


内容としては、恵梨香さんから聞いていた事とほとんど変わらない。


違うとすれば……松田の非情さと、内部的にそれに付いて行けなくなった人達が派閥を作っているという事。


だがそれも、松田の右腕、川崎に付いていて……川崎自身は、松田に逆らえないという奇妙な図式。


結局は、松田の独裁体制は変わらないのだ。


「なるほど。それで?お前はどうする。いつまでもこんな場所で子供達と暮らすわけにはいくまい。今こそ私達と共に、達也を討つべきだと思わないか?」


ヘルメットを取り、神谷をジッと見詰めた恵梨香さん。


その言葉に驚いた様子の神谷だったが……フウッと溜め息を吐いて、首を横に振った。


「北条よ、物言いがストレート過ぎやしないか?松田を倒すには戦力が足りないのはわかるけどよ、そんな上から言われても、ここに響かねぇぜ?」


そう言って神谷は、自分の胸を親指でつついた。


……いつも思うけど、恵梨香さんって本当に交渉が下手だよな。


俺も人の事は言えないけど、頼むならしっかり頼むべきと思う。