殺戮都市~バベル~

あの巨大な化け物から逃れるように、神谷に案内されて入ったビルの地下。


ルークは俺達を追い掛けていたものの、不思議とビルを破壊するような真似はせずに、出口を塞ぐかのように立っているだけだった。


「はぁ……はぁ……あーくそっ。いつまでそこにいるつもりだよ。こいつのおかげで金を稼ぎ損ねちまったよ。なあ?」


そう言って、俺の背中をバンッと叩く神谷。


ついさっきまで戦ってたのに、なんだこのフレンドリーな感じは。


命のやり取りをしようって人間の軽さじゃないぞ。


「……神谷、お前はここがアジトと言ったか?どうしてこんな所をアジトにする必要がある?お前は、西軍側の防衛を任されていたはずだろう?」


俺の知らない北軍の事情を、恵梨香さんが尋ねると、神谷は渋い表情を浮かべて頭をボリボリと掻いた。


何か言いにくい事でもあるのか、それともこの話はされたくないのかはわからないけど、明らかに嫌そうな顔だ。


「あー、まあ。そのー、なんだ。とりあえずこっちに来いや。中で事情を説明するわ。俺も色々あったからよ、順を追って説明しねぇと、話がごちゃごちゃになっちまうんだよな」


まだ神谷という男を信用したわけじゃないけど、今はもう戦う意思がなさそうだ。