殺戮都市~バベル~

じょ、冗談だろ?


武器レベルが上がって強くなって、多分ナイトにも一人で勝てるくらいにはなったと思う。


だけど、あんな馬鹿でかい化け物を……一体どうすれば良いんだよ。


落下した金属の塊……ルークが、ゆっくりと動き始める。


一体は西軍の方へ。


もう一体は……北軍に!?


「ま、まずい!逃げるぞ少年!」


戦おうとか、どうすれば勝てるなんて考えられなかった。


俺も恵梨香さんと同じく、逃げる事しか頭になくて、振り返ろうとしたけれど……。


神谷が、その存在に恐怖したのか、微動だにせずに道の真ん中で立ち尽くしていたのだ。


「くっ!何やってんだよ神谷!」


「少年!?」


ゆっくりとはいえ、確実にこちらに迫って来るルーク。


そうだと俺が確信したのは、重厚な鎧に身を包んでいるその頭部が、狼のような顔だったから。


巨大な……一度に10人は食えてしまいそうな口。


その餌食になってたまるかと、素早く神谷に駆け寄って腕を掴んだ。


「ボサッとするなよ!死にたくなかったら逃げろ!!」


神谷の身体を揺すると、ハッと我に返ったようで。


改めてその巨体を見上げると、慌てて振り返って駆け出した。