殺戮都市~バベル~

何も言えずに立ち尽くす奈央さんと、男に駆け寄る三人の男女。


「おう、お前らすまなかったな。おかげで助かったぜ。なんせこいつは5万の賞金首だからな。逃がしたら、俺達が梅沢さんにぶっ殺される所だ」


俺から男を引き剥がし、両脇を男二人で固めて俺達と向かい合った。


それにしても、5万の賞金首か。


俺がさっきの戦闘で5人殺して130円だから、5万ともなるとそれは大金なんだろうな。


「本当にありがとう。そこのコンビニで食料を一つずつ奢るわ。お礼と言ってもこれくらいしか出来ないけど」


「え?あ、ありがとうございます」


ただ、逃げ出した敵を捕まえただけで、食料を奢ってもらえるなんてラッキーだったな。


どうやらあの人も死ぬわけじゃなさそうだし、こういう事だけすれば良いなら気も楽なんだけど。


俺と奈央さんは、捕虜を捕まえるのを手伝ったという事で、女性に弁当を奢ってもらって別れた。


自分の金を使わずに、食料を確保出来たのは大きい。


「ねえ、真治君。キミ、本当は剣道か何かやってたんじゃないの?」


拠点に向かって歩いている途中で、奈央さんが尋ねた。


「え?いや、これと言って運動は……俺、帰宅部ですし」


「そう……」


そんな会話をしただけで、後は何も話さなかった。