殺戮都市~バベル~

まるで、地面に繋がれていた鎖が切れたかのように、身体に重みを感じない。


それでいて、地面はしっかりと俺の体重を支えている。


限界を迎えた身体能力の上昇が、レベルが上がる事で次のステージに進んだのか。


俺には、そうとしか思えなかった。


「ナイト相手に二人か……どうだ少年、やれそうか?」


トンファーを抜き、腰を落として構えた恵梨香さんが尋ねた。


こんな状態で……やれないなんて全く思わない!


「行けます!もしもやれたら……一撃で仕留めます!!」


そう言って俺は、ナイトに向かって駆け出した。


身体が軽い。


地面を蹴って足を前に出しても、着地が待ち遠しいほどに、身体が動く。


ナイトが槍を構え直し、俺に向かって突き付ける!


速い……けど、以前感じた程じゃない!


グッと地面を踏み締めて、槍を回避すると同時に飛び上がった俺は……その光景に驚いた。


ナイトが……下に見える。


兜を叩き潰そうと、ほぼ同時に飛んだであろう恵梨香さんが隣にいる。


想像を超えた垂直方向への跳躍力が、俺に身に付いたのだ。


「!?少年、一撃で決められるか!?」


「ええ、やります!!」


完全にナイトの視界から外れた俺と恵梨香さんは、その頭上で武器を振り上げた。