殺戮都市~バベル~

「少年、なかなか上手いな。私を『強い』と言わずにおだてて。いつからそんなに口が上手くなったんだ?」


いや、おだてているわけではなくて、本心でそう思っているんだけどな。


恵梨香さんがいなかったら、俺は本当に何をしていたんだろう。


「まあ、それが今の私の実力という事だ。少年が止めてくれなければ、私はあの時、ナイトに殺されていたかもしれない。すまなかったな……どうしても負けたくなかったんだ。強くなり続ける少年に」


その気持ちは俺にも良くわかる。


恵梨香さんが俺の中での目標で、他軍の強い人に殺されても、次は負けないと、必死になって戦ってここまで来た。


結果、恵梨香さんよりも力を付けていたとしても、成長にブレーキを掛けるつもりはない。


「一緒に強くなりましょうよ。俺達は敵じゃないんですから。力を合わせて戦いましょう。バベルの塔に行くのが目的なんですから」


恵梨香さんの前で屈んで、手を差し出す。


少しだけ戸惑ったように、顔を横に向けた後、そっと俺の手を取った。


「くぅ……青春しとるじゃないか真治君!わしにもっと力があれば……武器がもっと強ければ、キミらの力になれたのになあ!」