殺戮都市~バベル~

バーコードと話していると、「うぅ」という恵梨香さんの唸り声が聞こえた。


あんな事があって、俺は恵梨香さんとどう接すれば良いのかわからないまま、その目覚めを待つ事に。


「そら、眠り姫のお目覚めだ。気分はどうかな?何があったかは知らないが、生きていて何よりだ」


その風通しの良さそうな、見事なバーコードハゲを整えて、妙に良い顔で恵梨香さんに声を掛ける。


ヘルメットを被っているから、顔はわからないだろうけど、身体のラインで女性と判断したのだろう。


しかし、恵梨香さんはバーコードには見向きもしない。


「私は……そうか、気を失っていたのか。結局私は……自分の意地も通せないほど弱いのだな」


思ったよりも大人しく、驚くほど拍子抜けする恵梨香さんの言葉。


もっと大暴れするかと思ったけど、ナイトに勝てず、沼沢に一撃入れられて気絶してしまって、プライドはズタズタにされただろう。


総合ランキング1位、死神とまで呼ばれた人も、その力を誇示出来なくなったら、これほどまでに大人しくなるのか。


「恵梨香さんは……弱くはないですよ。だって、俺は恵梨香さんに追い付きたい、大切な人を守りたいと思ったから戦えたんです。恵梨香さんがいなかったら、俺は今頃何も考えずに人を殺すだけだったかもしれません」