殺戮都市~バベル~

それを見た後、恵梨香さんと揉み合うように地面を転がり、逃げ切れたと安堵した。


「ええいっ!何をしてくれた!もう少しで倒せたものを!」


「えっ!?うわっ!」


恵梨香さんが怒りをぶつけるように、上に覆い被さっている俺を突き飛ばし、すぐさま起き上がると光の壁に駆け寄り、トンファーを叩き付けたのだ。


音もなく、光の壁で動きを止められたトンファー。


その向こうにいるナイトを睨み付けるように恵梨香さんは見上げていた。


「おい。死神に何があった。まるで駄々をこねるガキだな」


すでに南軍に入っていて、俺達の方に駆け寄った沼沢が、呆れたように尋ねた。


何があったと訊かれても。


なぜか俺に怒ってるとしかわからないんだよなあ。


状況だけ見れば、強くなった俺に対する嫉妬なのか?


もっと深い意味があるのかわからないけど、俺はそれを汲み取れるほど大人じゃない。


「くそっ!くそっ!あと少しと言う所で!少年!なぜ邪魔をしたっ!」


光の壁にトンファーを打ち付けて、悔しそうにそう言い放った恵梨香さんに、俺は何て答えたら良いんだ。


返事に困っている俺を見かねたのか、背後にいた沼沢が口を開いた。