殺戮都市~バベル~

右手の槍が動いた瞬間、俺の日本刀がナイトの腕に食い込む。


攻撃には不十分な体勢、でも、こいつの動きを止める事くらいは!


グッと手に力を込めて、振り抜いた日本刀。


頭上で肉が裂け、血が降り注ぐ。


俺の攻撃で、腕がビクンと震えて動きが一瞬止まる。


その直後、ガンッという金属を叩き付けるような音が響いて、ナイトの頭部が揺れた。


それでも、決定的なダメージは与えられないようで、再びナイトの背に着地して、次の攻撃に移ろうとしている。


「恵梨香さん!まだわからないのかよ!!俺達は時間を稼ぐだけで良いんだよ!」


「臆病者め!ここでナイトを倒せないようなやつが、塔を攻略など出来るか!」


その言葉を聞いた瞬間……俺は、恵梨香さんの心の葛藤を少し理解したような気がした。


塔に行く。


その為に強い仲間を集めている。


これを目標に、色んな人が集まったけど、当の恵梨香さんは、ナイトを単独で倒せる力がないと思って、何とか力を誇示しようとしているに違いない。


それが、こんな無茶な行動へと繋がっているのだろう。


だけど……。







「自分だけで頑張ろうとするなよ!人を頼ったって良いじゃないか!」







俺はそう叫んで、ナイトに斬り掛かった。