殺戮都市~バベル~

俺と沼沢が走る。


恵梨香さんが、頭部を吹っ飛ばしたポーンの死体の横を。


「相当荒れてるな、死神は。お前とやつの関係がどんなものかは知らないが、何とかした方が良いぞ」


俺と恵梨香さんの関係など、どうでも良いと思っていそうな沼沢まで、心配しているのか。


だけど、本当にこんな事は初めてなんだよな。


東軍で恵梨香さんが津堂に捕まって、それを俺と黒井が助けた時だって、こんなに拗ねるというか、怒ったような感じではなかったのに。


「俺だって何が何だか。今まで恵梨香さんに追い付こうと頑張ってたんだけど。何か悪い事をしたかな」


沼沢に尋ねた所でわかるはずもないけど、可能性を考えるなら沼沢の意見も聞きたい。


「……まあ、今まで自分より弱いと思っていた仲間が、自分以上に強くなったって言うなら、焦りと妬みもあるんだろうな」


結局それになるのかな。


俺の中では、いつまでも恵梨香さんは恵梨香さんで、頼りになる存在だと思ってるのに。


走り続けて街の中央部付近。


西軍の死体を食う為にポーン達が移動して、ここにはそんなにいないかと思ったけど……その考えは甘かった。


数は少ないものの、塔を守るように配置されたポーンとナイトは変わらずにいたのだ。