殺戮都市~バベル~

「ふぅ……なかなかやばいなこいつは。ポーンとは比べ物にならない強さだ」


ナイトが倒れるタイミングで飛び退いた沼沢が、横たわる巨体を見ながら呟いた。


星5レアでも、一対一でナイトと戦って勝つのは難しい。


だとすれば、星4レア以下の人間が勝つのは絶望的だという事だ。


「でも、流石は恵梨香さんですよ。兜ごと潰すんですから」


お世辞でも何でもなく、日本刀では叩き潰すなんて出来ないと思ったけど……。


「少年、それは私に対する情けか?明らかに少年の方が私よりも強くなっている。その気になればこいつの首を刎ねる事くらい出来たんじゃないか?」


恵梨香さんはそうは思っていないようで、不機嫌そうに尋ねたのだ。


正直な所、ナイトの頭部は不自然なほどに脆い。


もしかするとそれも出来たかもしれないけど、それだったら沼沢が先に首をもぎ取っているはずだ。


「い、いや……恵梨香さんじゃなければ、あの状態からナイトを倒す事は出来なかったと思います」


そう言った俺をジッと見詰めてはいるけど……言葉はない。


怒っているのかいないのか、それすらもわからずに。


俺は、恵梨香さんと気まずいまま、次の言葉を待つしか出来なかった。