殺戮都市~バベル~

「危ない。それにしてもやっぱりこいつは強い……頭を狙うしかないのかな」


着地するまでに日本刀を引き抜き、暴れるナイトを見る。


鎖を頭部に巻き付けて、ロデオのように、振り落とされないよう踏ん張る沼沢。


対して、どうにか振り落とそうと、身体を振り、飛び跳ねるナイト。


どちらが有利なのか不利なのか、それすらも現状はわからない。


ただ、沼沢の体力が消耗してしまえば、いずれ落ちてしまうだろうという事だけは理解出来る。


「おい!早くどうにかしろ!ガキ!死神!お前らの武器はただの飾りなのか!?」


鬼気迫る表情で恵梨香さんと俺に怒号を飛ばす。


沼沢には見えない位置から攻撃したとは言え、俺はやってるっての!


それよりも問題なのは恵梨香さんの方か。


あの強い恵梨香さんが、ナイトを前に、どう踏み込めば良いかわからない様子で、タイミングを見計らっているようにも見える。


相手が人間やポーンであれば物怖じせずに戦う恵梨香さんの、こんな姿は初めて見た。


「恵梨香さん!俺がもう一度やります!だからその隙に頭部を!」


兜はまだ外れていない。


いや、それどころか変形してしまって、外す事さえ出来ないかもしれないけど、そこは任せるしかなかった。