殺戮都市~バベル~

手に加わる確かな抵抗。


人間やポーンを相手にしていたら、肉を斬り裂くのにこれほどの抵抗は感じないけれど……流石はナイトといった所か。


表面の体毛を斬り、皮を開き、肉に刃が到達して、体内を滑るように進む。


体重と、腕の力を乗せた全力の一振りが、この強靭な肉体を持つナイトの肉を斬り裂いているのだ。


だけど……まだ足りない!!


その気持ちだけで振り抜けるほど甘くはなかった。


今の俺では、大木のようなナイトの腹部を、ほんの30センチほど斬る事しか出来ない。


そして日本刀がピタリと止まり、それ以上は振る事も、抜く事も叶わなかった。








「ギャアアアアアアアアアアアッ!!」







沼沢によって、身体を反らされていた状態での腹部への一撃は辛いだろう。


ダメージを受けたからと言って、前屈みになる事も出来ないのだから。


しかし、反撃しようと手は飛んでくる。


沼沢を掴めなくて、ストレスが溜まっていると言わんばかりに、前方にいる俺を目掛けて。


叩き潰されてたまるかと、左手で鞘を抜くと同時に、ナイトの腹部を蹴り、後方に飛んで離脱した。


バンッと腹部を叩いたのを正面に見て、後少し反応が遅れたら潰されていたかもしれないと考えると、油断など出来ない相手だと言う事を再認識させられる。