殺戮都市~バベル~

走っていても、人を食らう不気味な音は聞こえる。


骨を砕く音、肉を噛む音。


食われているのが人間だとわかるから、耳を塞ぎたくなる。


そんな俺達の前方に、死体を食い終わって俺達に気付いたポーンの姿。


血塗れの口を嬉しそうに歪め、捕食しようとこちらに向かって歩き出した。


「ポーンが気付きました。俺がやります!」


日本刀をグッと握り締めて、この中では一番容易に俺が殺せるだろうと思って言ったけど……。


「いや、俺がやる。お前は前を見てろ」


沼沢はそう言うと、鎖分銅を振り、ポーンに向かって投げ付けた。


手から放したらすぐに消えるBタイプにしてるかと思ったけど……意外だ。


鎖分銅は回転しながらポーンに直撃。


グルグルと首に巻き付いて、苦しそうではあるものの、殺すには至っていない。


やっぱり俺がやるべきなのか!?


そう思ってポーンに進路を変更しようとした時だった。


「だから俺がやるって言ってんだろ」


既にポーンに接近して、首に巻き付いた鎖の端を握り締めた沼沢が、すれ違う勢いそのままに鎖を引っ張ったのだ。


「グエッ!」


潰れたような声が聞こえて、鎖に絞め上げられ、その首はあっさりと分断された。