殺戮都市~バベル~

一体……違う。


この量の死体を、こんな短時間で全部食ったと言うのか!?


ボリボリと頭部を噛み砕かれ、血に塗れた顔を俺達に向けている死体。


脳が収まっていたであろう部分はなくなり、不気味な姿に変わった人。


それはもう人ではなく、化け物の餌と化していたのだ。


今までにたくさんの死体を見てきたし、俺も人を殺して来た。


だけどこれは……また違った不気味さというか、気持ち悪さを感じる。


「少年、沼沢。後ろにも気を配れ。一匹だけではないと思ったが……どうやら、餌の匂いを嗅ぎ付けて、大量に押し寄せているようだぞ」


恵梨香さんに言われて、背後も確認した俺は、そこにいる、見えるだけでも5匹はいるポーンの姿に、若干の焦りを覚えた。


「死体の匂いで……こんなにポーンが街中に!?まさか、ナイトはいないでしょうね」


ポーン程度なら、俺達でもどうにかなるだろう。


だけど、ナイトはさすがにここでは出会いたくない。


追い掛けられたら建物の中に逃げ込むしかないし、そうなったら中央部に行く事自体が難しくなるから。


戦うという選択肢もあるけど、これほどのポーンを交えての戦闘ともなると、骨が折れる事は目に見えていたから。