「待て。俺も行く」
俺と恵梨香さんの動きに合わせて、立ち上がったのは……沼沢だった。
あれだけ俺を憎んでいて、奈央さんを見殺しにしたと怒っていた沼沢が……どうして。
「一緒に来るのは構わないが、西軍の防衛はどうするつもりだ?今の西軍には、お前くらいしか他軍の星5レアとまともに戦えるやつはいないだろう?」
恵梨香さんがそう尋ねるけど、沼沢は睨み付けるような目で俺を見ている。
ただ、仲間になる為に付いて来るわけじゃなさそうだな。
「そ、そうだよ沼沢!あんたがいなかったら、勝てない戦いだってあるんだからね!一緒に行かれると、こっちが困るんだよ!」
雪子さんも必死に止めようとするけど……そんな事はお構いなしに俺に近付き、沼沢はマフラーで隠れている口を開いた。
「勘違いするな。俺はこのガキに、奈央が死んだ場所や、暮らしていた部屋に行きたいだけだ。俺は死んでいて何もする事が出来なかったからな。それが終わったらすぐに戻って来る。拒否なんて出来ないよな?」
有無を言わさぬその眼力。
俺は別に構わないけど……恵梨香さんはどう言うか。
チラリと恵梨香さんの顔を見てみると……仕方ないと言わんばかりに、溜め息を吐いて頷いた。



