本気かこの人達は。


キングなんて重要なものを決めるのに、ジャンケンだなんて……。


それでも、仕方ないのかな。


いきなり10分で次のキングを決めろと言われても、話し合いなんて出来ないだろうな。


学校のクラス委員を決める時だって、結局は最後は投票になってしまうのだから。


「あ、沙慈君って子が、キングになりたいって言ったんだけどね。星5レアの高校生が」


思い出したかのように、人差し指をピンッと立てて雪子さんが続けた。


「だったら、そいつにさせれば良かっただろう?星5レアだ。キングになっても誰も文句は言うまい」


「んー、皆考えたんだけどさ……自分からキングになりたいって言い出すんだよ?敵にも『俺が西軍のキングだ!』とか言いそうでしょ」


ああ……それは問題があるかな。


キングだから強くなるってわけじゃなさそうだし、なったからにはPBMを破壊されてはならないのだから、自分がキングだと言う事を知られるとまずいだろう。


「だから、ジャンケンで決めるしかなかったのよ。話し合いなんてしても、決まらないと思ったからね」


「話はわかった。ではとりあえず、失ったレベルを元通りに……いや、元以上にしなければならないな」