殺戮都市~バベル~

「……女を殴れるかよ。奈央と約束したんだ。女は丁寧に扱わないとダメだってな」


「……そうか。本当にあんたは奈央ちゃんを好きだったんだね。でもさ……私は殴るからね」


言うより早く、雪子さんの拳が沼沢の顎を捉えた。


全く予測していなかったのだろう。


不自然なまでに、グリンと頭部が傾いて……沼沢は膝から崩れ落ちて地面に倒れ込んだのだ。


武器を持っていないと、あの強い沼沢でさえも女性の一撃で気絶する……。


いや、雪子さんのパンチが恐ろしく強いだけかもしれないけど。


「全く……喧嘩をするなら、総力戦が終わってからにしろっての。まだ戦闘中だって事を忘れてるんじゃないだろうね」


容赦ないな、雪子さん。


それにしても、雪子さん達にはなんだか余裕があるように思える。


キングが破壊されて、レベルが半分になったはずなのに、大丈夫なのか?


金もソウルも減って、余裕なんてないはずだろ?


「あ、あの……雪子さん。西軍のキングは破壊されたんですよね?」


「ん?ああ、そうだよ」


沼沢を殴った手をブラブラと振りながら、俺を見て返事をする。


「じゃあ、今はキングがいない状態なんですか?それとも新しいキングがあるんですか?」