殺戮都市~バベル~

だけど……全くと言って良いほどダメージはないようで、沼沢の目はジッと俺を見ている。


その状態から振り上げられた拳。


「結局守れなかったんだろ!?お前は口ばっかりだ!守るって言えば守れるとでも思ってるのかよ!調子に乗るなガキが!」


上から叩き付けるような拳が、俺の頭部に直撃した。


目から星が飛び出したような衝撃に、思わず崩れ落ちて地面に膝を付く。


さらに、そこに沼沢の蹴りが襲い掛かる。


体勢が整わないうちに蹴り飛ばされて……俺は無様に仰向けに倒れてしまった。


「沼沢、文句があるのなら私にも言いな!なんなら殴ったって良いよ。池上から奈央ちゃんを守れなかったのは、私も同じだからさ」


そう言って沼沢の前に立ちはだかったのは雪子さん。


「どけ!雪子!これは俺とガキとの問題だ!俺はこいつのぬるい考え方がどうしても許せない!」


雪子さんの肩を掴んで、押し退けようとする沼沢の手を、雪子さんは振り払って拳を握り締めた。


「あんた達だけの問題じゃないって……言ってんでしょうが!」


そして振り抜いた拳が、沼沢の鼻に叩き付けられた。


まさか、グーで殴られるとは思っていなかったのだろう。


不意を突かれたようで、身体がグラリと傾いた。