殺戮都市~バベル~

ここまでで何があったか、どうして沼沢が絶望しているのかと言うのを、恵梨香さんを含めた四人に詳しく説明をした。


奈央さんと出会って死んで、そしてここで何があったかまでを。


皆、思う事はあるだろうけど、誰も俺を責めようとはしなかった。


いや、誰も、何も責める事が出来ないのだろう。


「奈央ちゃんが……そう。きっと悔しかっただろうね。そんな死に方をしてしまったんだから」


いつになくしんみりとした雪子さんに、俺は答えるように口を開いた。


「だけど、奈央さんは言ってました。俺や雪子さん達じゃなくて、沼沢に『ごめん』って」


今言うべきかどうか、迷ったけど……今言わなければ、いつ言えるかわからないから。


沼沢の気持ちを考えたら、そんな話は聞きたくないかもしれないな。


「ちょっと、聞いた?落ち込んでる場合じゃないよ。奈央ちゃんが最期に遺した言葉は、あんたにだったんだからね。しっかりしなよ。真治も彼女を助けられなかったのに、悲しみに潰されずに戦ってるんだからさ」


沼沢に近寄って、四つん這いでうなだれているその腹を、軽く蹴り上げる雪子さん。


それが効いたのか、ゆっくりと沼沢がその身体を起こした。