殺戮都市~バベル~

俺が黒井を斬った時、右肩に攻撃していなければ、間違いなく俺が死んでいたと思う。


刃が肩の肉と鎖骨を斬り裂いて、僅かに黒井の右腕が落ちた。


だからこそ、俺は腹部を貫かれるだけで済んだのだろう。


そして、大きな勝因は、持っていた武器。


あの時、ランスを持っていなければ、俺は飛び上がる事はしなかったかもしれない。


そして、ランスを左手に持ち替えられていたら……。


色々考えてみるけど、俺が負ける場面を想像出来ない。


勝ったから、その余韻に浸っているのか。


「黒井にまで勝つとは……本当に少年は強くなったな。前にも言ったが、今の私よりも全然強いかもしれない」


恵梨香さんにそう言ってもらえるのは素直に嬉しい。


日本刀のおかげだろうけど、人を守れるくらい強くなりたいと思っていたから。


もっと早く、強くなっていたら、大切な人が死ぬ事はなかったかもしれないけど。


「それで、もう一つは何ですか?」


「うむ、それなんだが……こいつは一体どうしたんだ?落ち込んでいるのだろうが、何かあったか?」


そう言って沼沢を指差し、首を傾げて尋ねた。


俺が黒井と戦っている間も、ずっとこうして落ち込んでいたのか。