殺戮都市~バベル~

立ち上がって、日本刀を月森に向けながら言ったその言葉に、反論する余地などどこにもない。


死ぬか、退くかの二択。


「く、悔しいけど……黒井さんが勝てなかった相手に、私が勝てるはずないわ。ここは退くけど……後ろから攻撃しないでよね!」


そう言って、警戒しながら、月森は光の壁へと走って行った。


吹雪さんも恵梨香さんも、追撃するつもりはなさそうで、被害は大きかったものの、なんとか難局を切り抜けたという安心感にフウッと吐息を漏らしていた。


「いやぁ、まいったまいった。あの人やばいよ。武器が多いだけでも大変なのに、一つ一つの使い方が半端ない。恵梨香が来てくれなかったら、少年は死んで、私は押し負けてたかもね」


一番安心したのは吹雪さんか。


黒井が強いと言うくらいだから、本当に強い人だとは思うけど、確かに戦いにくい相手ではあったな。


「時に少年。聞きたい事が二つある。まず、今の女が言っていたが、黒井に勝ったというのは本当か?」


「え?あ、はい。邪魔が入らないようにと思って決闘したんですけど……ほとんど相討ちですよね。あとちょっと上を貫かれてたら、俺の方が先に死んでたかもしれません」