殺戮都市~バベル~

吹雪さんと月森の声、そして、心臓のドクンドクンという音が聞こえる。


ああ、俺はまだ生きているんだなと思うと共に、どうして気絶しなかったんだと思ってしまうほどの全身の痛みを感じていた。


「もうっ!良い加減に退いてよ!このままじゃ、真治君が死んじゃうでしょ!」


「黒井さんが殺されて!私だけ退けるはずがないでしょ!」


吹雪さんと月森の実力はほぼ互角。


俺を助ける余裕なんてないだろうな。


だとすれば……俺はこのまま死んでしまうのか。


そう、半ば諦めそうになった時だった。











俺の足の方から、地面を踏み締める足音が聞こえたのだ。


誰かがこっちにやって来る。


沼沢が立ち上がって、俺を殺そうとしているのか?


仮にそうだとしても、俺にはもうどうする事も出来ない。


せっかく黒井に勝てたのに、締まらないな。


なんて、そんな事を考えていると。


足音の主は、俺の横で足を止めて、屈んだようだ。


何かを探すようにしてポケットをまさぐり、PBMに触れたかと思うと、それを取り出して、俺の指で操作し始めた。


少しして……俺の身体の失われた部分が回復したのだ。