殺戮都市~バベル~

どうする事も出来ないこの状況。


何かしなければ、確実に殺されると判断した俺は……切断されたばかりの左手をさらに押し込むようにして、黒井の右腕を上から押さえ付けた。


辛うじて……学ランを微かに切り裂いて、ソードブレイカーの軌道がズレる。


武器を振って、隙が生じた黒井の頭部が目の前に。


握り締めた日本刀の柄で、黒井のこめかみを強打した俺は、素早く後退して、着地と同時に黒井に斬り掛かった。


左手が痛い。


指を動かしているつもりなのに、親指を残して全部切断された左手の指はなくて、奇妙な感覚。


普通なら泣き叫びそうなこの怪我も、治している暇すらない!


守ったら負ける!


攻めるしか勝つ道はないんだ!


「クレイジーだな!」


楽しそうに黒井が笑う。


俺はぜんっぜん楽しくないんだけどな!


振り下ろした日本刀が、黒井に襲い掛かる!


だけど、こんな単調な攻撃が黒井に通用するはずもなく……ソードブレイカーで容易に受け止められたのだ。


黒井の左手がピクリと動く。


それに反応して、慌てて飛び退いたけど……攻撃は仕掛けて来なかった。


何か……一撃を狙っているような、そんな雰囲気がある。