殺戮都市~バベル~

これは……俺が飛び込んでもギリギリ間に合わない距離。


沼沢を助ける為にここに来たわけじゃないけど、こいつが死ぬと、黒井と月森を同時に相手するのは骨が折れる。


既に飛び体勢に入っていた俺は、どうするべきかを考えて……あれが、近くにある事に気付いた。


すかさずそれに飛び付いて、拾い上げた俺は、力任せに引っ張った。


沼沢の……鎖分銅の端。


重量はそれなりにあったものの、引けないほどじゃない!


俺の動きに呼応するかのように、沼沢も腕を曲げて身体を移動させた。


「むっ!」


その直後、黒井と月森の武器が地面を穿った。


でも、俺の災難はまだ去っていない。


身体を引き寄せられながら、立ち上がった沼沢が、拳を振り上げて俺に殴り掛かって来たのだ。


「ちょ!嘘だろ!?」


「助けたとか思ってんじゃねえだろうな!テメェが敵なのは変わらねぇんだよ!」


見殺しにすれば良かったか!?


振り抜かれた沼沢の拳が、俺の顔面を砕こうと迫り来る!


日本刀を振り上げて、その拳を防御したけど……弾き飛ばされそうになるほどの凄まじい威力に、俺は全身で耐えなければならなかった。