殺戮都市~バベル~

大通りに面したビル。


そこの看板の陰に隠れ、人の死体が転がる交差点の様子を伺っていた。


人影は……ない。


激しい戦闘があった事はわかるけど、その割には死体が他よりも少ないな。


恐らくここか、その隣の大通りが南軍と西軍の真ん中辺りだと思うから、もっと死体は多いかと思ったけど……ソウルに余裕があるやつがここで戦っていたのだろうか。


それとも、南軍の攻撃をしのぎ切って、戦線がよそに移ったのか。


……どちらにしても、警戒はしておいた方が良いな。


ここからでは、ここを曲がった先がどうなっているのかまではわからない。


「俺が様子を見て来ます。三葉さんはここで待っててください」


「油断しないでね、真治君」


三葉さんの言葉に頷いて、俺は立ち上がってビルの角まで歩み寄った。


そして、ゆっくりと大通りの方を覗き込むと……。












そこに、俺と同じように、こちらを覗こうとしている血塗れの顔があったのだ。











「ぎゃああああああああっ!!」


「う、うひいいいいいいっ!!」












お互いに悲鳴を上げ、武器を構えて距離を取ると、そこにいたのは西軍の人間だった事に俺は気付いた。