殺戮都市~バベル~

そのアナウンスが流れたと同時に光の壁を越え、南軍に入った俺と恵梨香さん。


東軍の連中よりも前方に着地し、南軍の大通りを駆け抜ける。


「少年!もっと速くだ!限界を超えてみせろ!」


簡単に言ってくれるよ!


だけど、早く西軍に入りたいという思いはあって、それが地面を蹴る力となる。







「な、なんだ!?味方と……死神!?」


「わけわかんねえけど、殺れっ!」






東軍を待ち構えていた、南軍のやつらが、俺と恵梨香さんに武器を向けた。


光の壁を通り抜けるとステルス機能が切れてしまうのか、俺の手首は赤い。


ビルの上から、待ち構えていたやつらの遠距離武器が降り注ぐ。


その下を潜るようにして、待ち受ける南軍の群れに迫った俺は、恵梨香さんに接近して、肩に手を掛けた。


「飛び越えます!肩をしてください!」


「私を踏み台にしようと言うか……良いだろう、使え!」


走りながら、身を屈めてくれた恵梨香さんの背中に飛び乗り、人の群れを飛び越える。


チラリと振り返ってみると、俺が蹴った影響などないように、華麗に飛び上がる恵梨香さんの姿が見えた。


眼下を流れて行く、武器を構えた人の群れ。


後ろに行けば行くほど、頭上にいる俺達には気付いていないようで、前を見ている人の方が多かった。