殺戮都市~バベル~







『15分後に、戦闘が開始されます。敵軍のキングを破壊してください』





PBMに片付けると、傷や汚れが元通りになるのだろうか。


恵梨香さんが、破れていないライダースーツのファスナーを、胸の下まで上げた時に流れたアナウンス。


西軍のキングが破壊されたという連絡があって10分。


この街は、西軍を壊滅させようとしているのか?


「15分後に戦闘開始だと、わざわざ中央部を通る意味がない。総力戦が始まったら、光の壁を抜けて一気に西軍まで走るぞ」


時計回りになら、光の壁を抜けられる……。


南軍所属の俺が、西軍の仲間の心配をするなんて。


状況によっては、南軍の人間と戦わなきゃならないって事だ。


「……わかりました。行きましょう」


それでも、俺には迷いなんてなかった。


自軍だから、敵軍だからと、そういう括りで行動する時は、とっくに過ぎたから。


今は、仲間を守る為に戦うだけ。


理沙が死んで……現実から逃げるように眠って。


起きてもまだ寂しさは残っていたけど、少し心は落ち着いた気がする。


死んだ人は戻って来ない。


だからこそ、仲間を死なせないように戦うしかないんだ。