殺戮都市~バベル~

「強いやつと戦っていない……か。当然だ!俺より強いやつなどいないからな!それはお前も一緒だぞ、沼沢!」


今の言葉が、池上を怒らせたか?


もっと怒れよ。


怒りに怒りまくって、冷静さを失えよ。


俺は良い具合に頭が冴えてるぜ。


今なら、西軍最強だろうが、この街最強だろうが勝てそうだ。


「そういうのは、俺に勝ってから言うんだな、池上さんよ」


「貴様……」


人にバカにされる事に慣れていないのだろう。


怒りが顔に出てるぞ?


だけど、怒りに任せて飛び掛かって来ると思われた池上は、ハルベルトを握り締めて俺を睨み付けたまま動こうとしない。


……思ったよりも冷静か。


飽くまで俺が仕掛けるのを待つつもりだな。


それなら、俺も池上の隙が生じるのを待つか。


鉤爪で刺された肩の傷も治って来た。


動くのにもう何の支障もない。


俺も池上も、ほぼノーダメージ。


力量は互角……と言いたいところだけれど、単純な力では池上に分があるか。


だからと言って、それだけで勝負は決まらない。


膠着状態が続く……他のやつらはどうなっているんだ?


俺は池上に意識を向けたまま、チラリと雪子達を見た。