殺戮都市~バベル~

「何っ!?」


慌てて周囲を見渡すけれど、どこにもその姿は見えない。


PBMが壊れているのか……いや、もう一つの可能性は!









「上だっ!!避けろっ!!」









見上げた空。


そこに存在する、槍のような武器を構えた男。


どこから現れたのかすらもわからず、どうしてこんな事が出来るんだと、頭の中が混乱しながらも、その場から皆を退避させる事で精一杯だった。


槍の先端が、アスファルトの地面に触れる。


隕石が墜ちたかのように、地面はえぐれ、アスファルトが捲れ上がった。


「マ、マジかよ!!」



二毛が慌てたような声を上げる。


いや、二毛だけじゃない。


この場にいた誰もが、この行動に恐怖を感じたはずだ。


男は、何事もなかったかのように槍を引き抜くと、俺達を見回して口を開いた。






「……あの時取り逃がした北軍の女と……お前は沼沢か?まさか西軍のハイランカーが揃いも揃って敵に通じているなんてな」






その言葉からは、言いようのない圧力を感じる。


だけど……俺は恐怖ではなく、怒りと憎しみで顔を歪ませて、池上を睨み付けていた。