殺戮都市~バベル~

全員殺したわけじゃない。


運良く鎖分銅の回転の中に入っていなかった女が一人、武器を取り出すのも忘れて俺達を見ていた。


「ひっ!」


ジロリと睨み付けると、怯えた様子で声を上げたのだ。


丁度良い。


こんな下っ端が池上の居場所を知っているとは思えないけど、とりあえず何かしら情報が得られればと思って。


「おい、死にたくなければ池上の居場所を言え!」


「沼沢……それは悪役のセリフだよ」


元より俺は、正義のヒーローになるつもりなんてない。


この行動が悪だと言うなら、俺は悪でも良い。


「わ、私は池上さんの居場所なんて……し、知らな……」


「……ここに池上はいるのか?それも知らないとは言わせないぞ」


明らかに何かを隠しているような様子で、チラリと目を右に向ける。


口止めされているのか。


自分が話したと知られれば、殺されるかもしれないという恐怖からか。


くだらない。


「そうか、だったら死ねよ」


鎖を振り、分銅が女の頭部に直撃して、破裂音と共にその頭部は砕け散った。


「うわぁ……あんた、女でも容赦ないね」


「当たり前だ。お前は人を殺す時、性別で殺し方を変えるのか?違うだろ」


この街で、そんな物は邪魔でしかないだろう。