殺戮都市~バベル~

武器を持たない状態での接近戦。


致命傷など到底与えられないその攻撃は、俺のバランスを崩したり、小さな隙を作る事に特化している。


かと思えば、武器が手元に戻って命を狙って来る。


こういう落ち着いた攻撃をするやつは戦いにくい。


「わからないやつだ。いい加減話を聞け!」


ここで目立った行動を取るわけにはいかないけど……こうするしか止める術が思い付かなかった。


怪我をさせると、後で雪子が怒り狂うだろうから。


素早く後方に飛び退くと同時に、俺は鎖を巻いた右の拳で地面を殴り付けた。


叩き付けるのではなく、掘り起こすようなパンチ。


それが地面をえぐり、砂利が粉砕されて土と共に吹雪に襲い掛かる。


「えっ!?わっ!!」


予想だにしていなかっただろう、足元から巻き上がった土のカーテンに、案の定腕で顔を防御した。


今しかない。


俺は鎖を解きながら吹雪に駆け寄り、その身体を捕縛するように鎖を巻き付ける。


瞬間、吹雪は鎖の重みに耐えられなくなったのか、ガクンと落ちて地面に這いつくばった。


「嘘……何これ重いっ!!」


俺には大して重みを感じない鎖分銅も、他の人からすれば恐ろしく重いんだったな。