殺戮都市~バベル~

全力ではない、牽制のようなパンチ。


だけど女には、その攻撃すらも強烈な物だったようで。


「ぐっ!?わわっ!!」


辛うじて、俺のパンチを武器で防御した女が、後方に弾き飛ばされた。


ゴロゴロと地面を転がったけれど、流れるような動きで起き上がり、女は武器を構える。


「たはー……やっぱ姉ちゃんを捕まえるだけの事はあるね。それにしても、少年と戦った時よりずっと強くなってるじゃん」


そう言った女は、ゆっくりと弧を描くように俺の周りを動き始めた。


姉ちゃん?少年?


俺はこいつに出会った事がある。


勘違いでなければ……。


「お前は雨村吹雪か?待て……俺は敵じゃない!」


「そんなの信じられないっての!だったらなんで姉ちゃんが捕まってるのに助けようとしないのさ!」


手にした武器、チャクラムを投げ付けて、俺に怒鳴りつける。


「あれは作戦だ!雪子と二毛を囮にして、仲間と池上の居場所を特定する!雪子はお前を探していたぞ!殺されたか、捕まったかわからなかったからな!」


チャクラムを弾き、なるべく攻撃を仕掛けないように状況を話してみるけど……どうも納得出来ない様子だ。