殺戮都市~バベル~

「やあやあ、一週間振りの我が家だ。ただいまー!」


部屋の前に到着し、勢い良くドアを開けた雪子に続いて中に入ると……男が一人、ソファの上で横になっていたのだ。


テーブルの上にビールの空き缶、そしてパンツ一丁でいびきをかいて寝ている。


明らかに……こいつは雪子の仲間じゃないよな。


「なんだこりゃ。お前の彼氏かなんかか?」


「ち、違うわ!てか誰だしお前!」


二毛の質問に慌てて反論し、雪子がソファを蹴飛ばした。


「おわっ!?」


激しく揺れたソファに驚いたのか、男が飛び起きて床に落下する。


味方じゃないなら……一体誰なのか。


「ちょっとあんた!なんで私の部屋でくつろいでんのさ!名を名乗れ!!」


状況を把握出来ていない男に詰め寄って、床をドンッと踏み付ける。


「えっと……はっ!お前は雨村雪子!!ふふふ、池上さんの指示で、ここで待っていたらやって来ると思っていたぜ!」


雪子の姿を見て、慌てて立ち上がり、壁際まで後退すると、男はズボンのポケットに入れたのだろう、PBMを取り出そうと腰の辺りをまさぐる。


……パンツ一丁なのに。


「あんたさ、探してるのはこれか?」


床に脱ぎ捨てられたズボンを手に取り、俺は男に尋ねた。