殺戮都市~バベル~

意外だったな、あの卑劣で有名な二毛が、西軍と戦うのをためらうなんて。


……俺に刃を向けたやつの戦いぶりとは思えないな。


「ふ、復活したのかよ。で?あんたも裏切り者の俺を殺すか?あぁ?」


強がりだな。


そんな事を言っていても、顔は引きつっているし、手は震えている。


だけど、今は二毛を殺すつもりはない。


「そのつもりは……」


「あー、もう!終わってるじゃないの!あんた何したのさ!味方に殺されそうになるって、余程の事がないとないよ!?」


俺の声を遮るように、走ってきた雪子が二毛に声を掛けた。


圧倒的な存在感と言うか……言動の全てが自己主張していると言うか。


「は?なんであんたが沼沢と……そっちの方が状況がわからねぇんだけど」


お互いにわからない事があるか。


まあ、さっきのやつらにしても、雪子にしても、関係しているのは池上だ。


星5レアの西軍最強の男が、一体何を焦っているんだ?


ドンと構えていて然りなのに、こんな反乱分子狩りみたいな事をするなんて。


これは何かあるな。


「とにかくどこかに……」


「あんたも私も狙われてるならさ、ここから離れないとね。どこかで話をしようよ」


……また、雪子が遮った。