殺戮都市~バベル~

「ボウズも来たか……こりゃあ、やばいんじゃないの?」


自分の事なのに、まるで他人事のようにハハッと笑って、槍を回転させて石突きで日本刀の柄を突く。


振り下ろそうと思っていたタイミングでの、武器への一撃。


激しく後方に腕ごと弾かれて、バランスを崩してしまう。


攻撃のタイミングも完全に外されてしまった。


慌てて牽制の為に、日本刀を振りながら後方に飛び退くけれど、当てる気のない一撃など、名鳥は見てもいなかった。


「ふぅ……三対一はやっぱきっついな。でもまぁ……死にゃあしないっしょ」


三人が同時に飛び退いて、誰も攻撃を仕掛けていない時に、名鳥はそう言って笑った。


これにカチンと来たのは黒井。


「攻める事が出来ないやつが、勝てるとでも思ってるの?なんかさ、そういうのムカつくんだよね」


「そう言われてもねぇ。まあ、俺の役目はあんたらと戦う事だし。だったら、そろそろ攻撃しようかね」


黒井の言葉に、少し困ったような表情を見せた名鳥。


でも、槍を構えて俺達を睨み付けたその目は……今までとは全く雰囲気が違っていた。


東軍四強の最後の一人。


その男が、ついに本気になったようだ。