殺戮都市~バベル~

黒井も、恵梨香さんも、手を抜いているわけじゃないのは、見てわかる。


「くそっ!フラフラと!!」


「そりゃお互い様だよねぇ」


強引な方向転換で名鳥に迫る黒井と、巧みな槍さばきで攻撃を無効化している名鳥。


何か違和感があったけど……その正体がおぼろげながらに見えた気がする。


名鳥は……攻撃を回避する際に、黒井が誘導しようとしている逆方向に回避しているのだ。


ランスを避けられても、ソードブレイカーで追撃する。


そう考えて、二撃目を入れやすいように攻撃をしていると思うけど、それが全て想像している逆方向に動かれているのだろう。


「おのれ!」


恵梨香さんもそうだ。


トンファーだと攻撃範囲が狭くて、武器のリーチという点で、圧倒的に槍に劣る。


攻撃を繰り出す前に止められて、近付く事すら出来ない。


……なんて、傍観してる場合じゃないか。


名鳥順一には、ナイトに殺されそうになっていた時に助けてもらった恩はある。


だけど、ここを通してもらえないと、理沙を埋葬する場所を探す事が出来ない。


日本刀を握り締め、名鳥の動きを確かめながら、俺はタイミングを見計らって飛び込んだ。