殺戮都市~バベル~

「恵梨香さん!」


声を上げて入った、小さな部屋。


照明に照らされて、浮かび上がるのは……真っ黒に染まった壁や床。


黒く塗っているのかと思ったけど……これは、血だ。


血が、時間が経過して黒くなったんだ。


そうだとわかったのは、 ベッドがあったから。


そしてその上に、下着姿の女性……恵梨香さんが横たわっていたから。


動きを封じる為か、首には鎖が繋がった首輪、両手首から先がなく、脚も膝から切断されている……。


あまりに酷い光景。


狩野が部屋に入るのを止める理由がよくわかった。


だけど……俺は、こんな姿の人を見ていないわけじゃない。


10日間、ずっとここに閉じ込められて、助けを待っていたのか。


「助けに来るのが遅れてすみません。恵梨香さん、お待たせしました」


ベッドサイドに膝を付いて、痩せ細った恵梨香さんの頬にそっと触れた。


「……しょ……ね……」


声を出す元気もないのだろう。


この痩せ細り方は、何も食べさせてもらえなかったのかな。


「何も言わなくて良いです。すぐに助けますから」


と、言っても、どうすれば良いのか。


ベッドの周りにPBMはないし……いや、先に何か食べさせる方が良いかな?