殺戮都市~バベル~

俺も床に日本刀を突き刺し、それを支点に強引に向きを変える。


「肩を借りるぞ!」


それと同時に、黒井が俺の肩を蹴り、空中で向きを変えたのだ。


こんな無茶苦茶な移動を!


しかも、俺は肩と首を踏み付けられてしまい、踏ん張ったせいで速度が落ちてしまった。


俺よりも先に行った黒井が、空中から津堂に襲い掛かる!


突き出されたランス、短刀でそれを逸らす津堂。


一見地味な攻防だが、お互いに次の行動が取りにくい方向へと相手の武器を誘導している。


俺にはそんな事は考えられない。


出来る事は……怒りと恨みを持って、力ずくで斬り倒すだけだ!


理沙が味わった痛みを、苦しみを、少しでも返してやらないと気が済まない!


「うおおおおおおおっ!!」


だから、黒井に先を越されるわけにはいかない!


咆哮と共に駆け寄った俺は、レジ側の棚ギリギリに身体を寄せ、低い体勢で武器を構えた。


それでも、俺の殺気を感じたのか、ゴーグル越しの津堂の目は、俺を見ている。


このまま攻撃をしても確実に回避される!


殺気を消せ!


次の攻撃を悟られないように、次で仕留められるように!


ほんの一瞬で良い……怒りを鎮めろ!