殺戮都市~バベル~

「い、いきなりそんな事言われても……ひいっ!」


矢が、ヒュンと顔の横を通り過ぎて行く。


どうやらかすったようで、耳がヒリヒリする。


「聞いたでしょ!?私達を取り囲んで殺す気なのよ!殺らなきゃ殺られるのよ!!死にたくなかったら戦いなさい!」


さっきやって来た道路に入り、さらに細い路地へと入って身を潜めた。


少し距離があったから、ここに入ったのは見られていないと思うんだけど……。


飲み屋の看板の後ろに隠れて、男達が来るかどうか見ていたら。












「おい、ここだここ!ここに入って行ったぞ!」













バレてる!!


だけど、この路地ならなんとかなるか!?


足音が近付いて来る……捕まったら殺される。


それがわかっていても、まだ出来るなら殺したくないと思っている自分がいる。


心臓がバクバクと音を立てて、飛び出すタイミングもわからずに、奈央さんの様子を伺う事しか出来ない。


「真治君、行くよ。3……2……1……」


聞こえるか聞こえないか、ギリギリのカウントダウン。


心の準備も出来ていないのに!


と、慌てふためいた時だった。









ガンッと、看板が蹴飛ばされ、それと一緒に奈央さんがバランスを崩して倒れたのだ。