殺戮都市~バベル~

おかしい……そろそろ変化し始めてもいいはずなのに。


どうして理沙は変化しない?


少し遅くなっているだけなのか……。


ゆっくりと立ち上がり、ジッと理沙の亡骸を見詰める俺に、香月が口を開いた。









「何ぼんやり突っ立ってるんだい。彼女が死んじまって、言葉も出ないかい?残念だったねぇ……この子のソウルは……0だ!」









その言葉を聞いた瞬間、ゾワッと身体を撫でる悪寒が、俺を包み込んだ。


ソウルが……0だって?


じゃあ、理沙はもう生き返らないのか?


嘘だ、これは香月が俺を動揺させようとしているんだ。


首を横に振り、理沙の亡骸を見詰めて、早く変化してくれと祈ったけど……その祈りも虚しく、理沙の亡骸はそのままだった。


「あんたは……最初から理沙を殺すつもりだったのか」


「せめて足止めに使えればと思ったんだけどねぇ。あんな戦い方をしてるようじゃ、人一人殺せやしないからさ。それにしても、結局クズはクズだったね。敵を助けるなんてさ」


俺の問いにそう答えた香月は、動かなくなった理沙の頭部をコンッと蹴ったのだ。


瞬間、俺は日本刀を抜く。


素早く駆け寄って、怒りに任せて振り下ろした。