殺戮都市~バベル~



「ぐぅっ!」



抱き締めたら、どうにかなると考えなかったわけじゃない。


もしかしたら、攻撃を止めてくれるかなという想いはあったけど……遠慮なく来たな。


それでも、俺の背中に短剣を突き立てて、ようやく動きは止まったみたいで。


ガタガタと震えている理沙は、短剣から手を放した。


俺の背中から、金属の感覚が消える。


と、同時に、傷口から血が溢れ出しているのがわかった。


「大丈夫だって言っただろ?俺が理沙を守るから……心配しなくて良いんだ」


何度も何度も、心の中で「頼む!」と叫び続けて、すがるように抱き締めた理沙の身体。


その俺の想いは……。











「あ、ああ……真治。ごめん……」










通じた!


短剣から手を放して、ダラリと垂れ下がっていた腕が……俺の背中に回されて、ギュッと抱き締めてくれたのだ。


「良かった……もう大丈夫。俺を信じて、これからは俺が理沙を守るから」


「ごめんね……ごめんね……。私、どうすれば良いか……」


抱き締めた事で我に返ったのか、それとも俺を刺した事で罪悪感にさいなまれたのか。


……どちらでも良い。


理沙が正気を取り戻したのなら。